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北海道 奥芦別 夕張中岳(1493)・芦別岳(1727m)

  

【期  日】  2018年05月14日(月曜日)~ 05月19日(土曜日)

【メンバー】  CL(TK)、TI

【コースタイム(休憩込 古希を過ぎた2人が20㎏弱の荷を背負って幕営地まで登る)】
 05/14 十八線沢林道ゲート(標高360m)12:08→12:54二股で渡沢13:51→作業道終点→16:52コル1080m(幕営地)
 05/15 コル1080m(幕営地)5:40→6:15新幕営地1155m7:03→7:05主稜線コル1196m→7:28湿原→8:34峰1350m8:42→9:05コル東標高1330m9:40→9:44コル→TIは標高1380mで撤退10:02→(TKさんは雪壁を登りハイマツ密林を掻き分け登頂)夕張中岳→コル→10:30コル東標高1330m12:37→13:34湿原→14:22主稜線コル1196m→標高1155m(幕営地)
 05/16 標高1155m(幕営地)5:04→主稜線コル1196m南→5:19旧道分岐→5:25峰1279m→6:13峰1444m→6:26峰1457m→8:00峰1579m→9:31芦別の肩→9:54芦別岳10:17→往路を帰る→13:33標高1155m(幕営地)
 05/17 雨天につき小天狗南岳を諦める→標高1155m(幕営地)11:11→11:44コル1080m11:48→林道終点13:18→13:45二股で渡沢13:57→15:00林道十八線沢ゲート
 05/18 作業道崩壊地点7:43→帯広岳登山道(廃道)笹薮化標高385m撤退8:43→休憩→9:34作業道崩壊地点
 05/19 寒波襲来 狩勝峠降・着雪につきトマム山登山中止

【交通】
 05/14 羽田空港JAL551便7:50→9:25旭川空港→タイムズレンタカー(軽自動車)9:50→10:47富良野駅近くホーマックでガス購入11:01→山部→11:34十八線沢林道ゲート(軽自動車1台分のスペースあり)
 05/17 林道十八線沢ゲート15:03→15:10温水池16:17→16:26山部ふれあいの家16:29→16:36旅館やまべ
 05/18 旅館やまべ4:27→5:49狩勝峠→芽室町上美生→7:30西伏見橋東1km分岐標高点285m→7:23作業道崩壊地点(軽自動車1台分以上のスペースあり)~作業道崩壊地点9:47→分岐標高点285m→芽室町上美生→嵐山展望台→12:16新嵐山荘
 05/19 新嵐山荘10:18→11:23狩勝峠→12:55富良野プリンスホテル14:43→エネオスGS15:34→15:50タイムズレンタカー15:58→15:59旭川空港ANA4788便19:10→20:55羽田空港

【コメント】
 お膳立てをしてくださったTKさんにまず感謝!

 05/14 旭川空港でガスを買い損ねて富良野のホーマックで2缶仕入れた。棚に合ったのはこの2缶だけ、水作りがあるので予備の1缶が欲しかったのだが…。山部についてヒバリが囀る畑から芦別岳・奥芦別の松籟山、御茶々岳、西富良野岳を眺める。昨年に比べると雪解けが随分早い。十八線沢林道沿いにあるエゾヤマザクラも満開であった。ゲート前に駐車してザックを担ぎ見慣れた林道を登る。フキノトウも柳も緑濃く花時を終えていた。

 林道の最大の難所は二股での渡沢である。昨年登りに渡った下流の倒木は一本橋になり、帰りに渡った上流の倒木も枝を失っていた。下流の堰堤を越す流れに素足を入れてみたが珪藻で滑る。右往左往したが結局、上流の倒木をまずTKさんが重荷を背負って右岸に渡り、ビビッているTIを見てTKさんが左岸に引き返し、TIの重いザックを背負って再度渡ってくださった。感謝!。なお激流に転落する可能性がある時は「ザックのチェストベルト・ウエストベルトを外し、水の中でザックを離されるようにしておくとよい」と教科書に書いてある。

 昨年の往路の林道は残雪の下であった。今年は林道も細い踏み跡に変わるあたりまで無雪の薮道であった。踏み跡が残雪の下に潜ったので標高590m辺りでアイゼンを履いた。小尾根・小沢が入り組んだ広い谷だが今年も雪を拾って谷の右岸を登った。急斜面を登り谷が狭まったあたりには谷の主(熊)の足跡が残雪斜面の上下左右につなっがっていた。

「予定していた主稜線コル標高1196mまで行くと日暮れ近くになるし、西風が森を鳴らしている」ので槇柏山と御茶々岳の間のコル1080mを少し東に下った平坦な場所にテントを設営した。

 残雪を5㎏用米袋に8分目を2つに集め、まず水づくりである。TIはまず湯をα米2袋(@水160ml)、茶に250ml、それに魔法瓶500ml沸かして明日分の水として即席ラーメン用350ml、α米雑炊300ml、茶250ml、行動用1500mlを作った。TKさんも似たようなものだ。

 05/15 小鳥の合唱に送られ、幕営地からすこし登りコル1080mを北西に御茶々岳南東尾根の針葉樹・笹薮を雪を探して乗り越した。もちろん薮に強いTKさんの熊鈴の音を頼りに追いかけたに過ぎない。南東尾根の西側の谷を下り気味に巻き地形図にある池の南側に出る。池の西、小尾根の上の針葉樹に囲まれた場所を新幕営地1155mとした。ここなら西風も主稜線が遮ってくれる。

 テント設営後、アタックザックを背負って標高差50mの雪斜面を登り主稜線コル1196mに出た。すこし夫婦岩の方へ歩んで主稜線を西に巻き気味に下る。昨年歩んだコースとすこし違うが視界も良く斜面はどこでも歩くことができる。ただ今年はスキーのシュプールが一本も見つからなかった。天気も良くサングラスを懸けなければ目がくらむ。北を見れば極楽平、小天狗北岳、南岳、布部岳、富良野西岳まで見える。雪の平原に出た。それを西に進むにつれ夕張中岳が姿を現す。

 地形図にある池の西から峰1299mの斜面に取りつき西の小峰の西コルに出た。峰1299mは主稜線の峰1457mから西に延びる尾根の上にある。夕張中岳に続くこの尾根の北には急斜面があり尾根通しには緩斜面の白い峰(等高線で1340m)がおいでと招いている。誘惑に負けて峰に登ったが尾根の西はハイマツ・笹薮、南西には薮・岩稜アップダウンが続いていた。結局、雪壁を北側に下り岩稜を巻いて雪のコルに登り返す。この区間は北側斜面を巻くのが良策だ。巻くのが恐ろしいTIにとって試練の区間である。

 夕張中岳東コルに向かって雪稜を下る。標高1330mに良い休み場所を見つけたTKさんが待っていた。夕張中岳の東斜面を見て登れそうなルートを目で探す。コルからは2,3段の雪の急斜面、薮となりその上は雪壁、TKさんは「45°の傾斜で100m」と情報にあったという。その上にハイマツ薮と少し小さい雪壁その上の頂上部にはハイマツの密林と黒い崖が見える(写真を参照してほしい)。

 経験も技術も不足のTIはコル上の標高1380mまで上がり、雪壁を見上げて納得の上、撤退することにした。別れたTKさんは夕張中岳の頂上を踏んでコル近くに下ってきた。TIの耳にようやくTKさんが着けた熊鈴の音が入り安心する。標高1330m休み場所に帰ってきたTKさんは「雪壁をピッケルを打ち込みアイゼンの前爪を蹴りこんで四つん這いで登り、ハイマツ密林を必死で掻き分けて最高点に着いた。ハイマツ密林を引き返し雪壁にピッケルを打ち込んで四つん這いで足から下った」と報告してくださった。

 TKさんがコル東標高1330mで一休みした後、往路を引き返した。薮岩稜手前のコルからは北斜面を巻いて峰1299m西のコルまで歩いた。コルからは北に下って踏み跡が残る湿原に着いた。季節外れの高温であるが針葉樹林の木陰や時折吹く風が快い。針葉樹の根元には昨日の強風で散らされた小枝や葉が広がっていた。往路に付けた踏み跡を探しながら主稜線コル1196mに登り、標高1155mの幕営地に帰り着いた。「この時刻ならTIも雪壁に挑戦しても」とひとしきり悔いた。

 出発前に5㎏用米袋に詰めていた残雪がシャーベット状に融けて水作りが捗り、ガス消費も節約できた。これならガス2缶で行けるかもしれない。

 05/16 夜明けまで風が山を鳴らしていた。まだ雨の気配はないが薄曇りである。サングラスを懸けると日陰が歩きにくい。幕営地を出て主稜線の東斜面をピッケルを杖代わりにアイゼンの爪を利かせて南西に登った。標高1250mで芦別岳旧道に出会う。もちろん旧道も池もは残雪の下だ。

 峰1279m辺りから南の峰1444mを見上げる。コルからの取りつきが見つからない。先を行くTKさんを追ってコルに下り、雪が落ちた薮・草付きの先の小枝にが赤テープがあるのを見つけた。踏み跡が錯綜しているが夏道らしい。薮を登ると急な細尾根になる。雪稜かと思っていたが雪の脇はハイマツ薮でその間を登れば谷に滑り落ちる心配がない。尾根が広く緩やかになるにつれ薮が消えて残雪となる。

 峰1444mからは昨日歩いた夕張中岳が大きく見えた。東には夫婦岩、南には鋭い芦別岳が立っていた。峰1457m近くから雪が融け落ちて薮がところどころに出てくる。原則雪を拾って進むのだが薮に夏道を見つけてラッキーと喜んでしまった。夏道には鉈目や古い道標もあった。雪が完全に消えればそこそこ楽な道かもしれない。

 尾根にハイマツ薮が出てきて針路を塞ぐ。先行するTKさんは地形図の破線のように西斜面を巻いてハイマツ尾根を乗り越すルートを探していた。右往左往したが結局ハイマツ薮に切り開きも見つからない。尾根筋を諦めて西を巻き下って峰1579m登り返すことにした。このコースで一番の迷い所に違いない。とはいえ目前に芦別岳がその鋭い穂先を見せていた。

 峰1579mから南の尾根の夏道は薮と雪田の交差に変わる。腐れ雪でも雪田を拾う方が楽だ。下ってキレットとか恐竜の背中と言われる岩稜に出た。しばらくアイゼンをつけて岩の上を歩いたがやはり外すことをなった。まったくの夏道を歩むわけで難所には虎ロープや赤テープがある。この区間に雪氷がついていたらこんな気楽に歩けるわけがない。キレットを抜けて登り返すと残雪斜面が広がる。再びアイゼンを履いて登り巻道始点のコルについて一休みした。往路を振り返るが眼下は靄、麓はぼんやりとしか見えない。天気は下り坂だ。

 巻道の斜面の雪は表面が部分的にウィンドクラストしてアイゼンの利き方にむらがある。北のユーフレ谷に滑り落ちる危険があるので肩の峰のハイマツ薮際まで登りハイマツ薮に沿ってコル(ユーフレ谷出合)に向かって下った。雪が落ちた芦別岳のどこに取りつくか。コルに下ってみると急斜面のハイマツ薮に夏道の切り開きがあった。もちろん赤テープもある。

 アイゼンを脱いでハイマツ薮を登り、草付き、岩場にある電光道(踏み跡)を歩み最後の岩場を越すとそこが芦別岳山頂であった。一足先に登ったTKさんに確かめる。あまりにも踏み跡が錯綜としているので左に山頂があるのかと疑ったせいだ。

 芦別岳山頂標杭の南下に風よけになる棚があった。そこで一休みして東西南北を展望するが下り坂の天候が靄を作って遠くを隠している。巻層雲が高層雲に、山々の頂に帽子がかかりはじめていた。

 岩場に錯綜している踏み跡を下っていると驚いたことに3人が登ってきた。向こうも「雪の上に足跡があるので驚いた」という。TKさんが先頭のガイドと話し合っている。「ユーフレ小屋に泊まってユーフレ沢本谷の雪渓を登ってきた」とのこと。「残雪期の人気コース。新道を下るらしい。芦別岳をピストンするには新道が一番楽」とはTKさんの話であった。別れて我々はコルへ下った。

 残雪がツボ足でも歩ける柔らかさになってたので素直に巻道を辿った。旧道夏道を帰る。岩稜を過ぎてアイゼンを履き、後は往路をすたすたと幕営地まで帰ることができた。

 05/17 夜半から小雨がテントを叩き風が枝を鳴らす。大粒になってフライと本体の間に水が溜まってきた。テントの底の残雪も段々狭くなり、テントが狭くなる。雨天につき小天狗南峰を諦める事になった。

 小雨が霧に変わったのでテントを撤収して幕営地から下った。池の北から御茶々岳南東尾根の針葉樹笹薮斜面に沿って進みTKさんが踏み込んだ斜面を濡れた笹や小枝を掴み、アイゼンに絡んでくる邪魔者をどうにか排除して尾根に出た。昨年より狭い残雪が1080mコルまで続いていた。松籟山も霧で霞んでいる。

 残雪斜面を下って谷が広がった地点に来ると霧雲が頭上に、谷から見える麓には青空が出た。幾筋もある小沢には音を立てて雪解け水が走り、そこらじゅうの残雪に穴ができていた。林道終点を探して谷左岸の小尾根を辿って行き止まったり、谷の中ほどの小尾根の先端から引き返したりした。結局右岸寄りの小尾根から右岸へ下る雨裂を笹を掴んで降りて林道に出ることができた。ここでアイゼンをはずす。ついでに林道が伸びる先を見ると、林道が狭まり踏み跡に変わった地点があった。ということは林道終点はここか。

 林道を下って二股に出た。先日来の高温と雨のせいで雪が融けて十八線沢は激流に変わっていた。ただ水・食料が減ったせいかTKさんの真似をして沢にかかる倒木橋を短い時間で渡ることができた。難所を過ぎてゲートまでの林道は春を楽しみながら歩く。何種類もの蝶が蕗などの花に戯れる風景は子供の時の憧れの世界そのものだった。

 時間調整を兼ねて温水池記念碑近くでテントやフライなどの濡れモノを東風に当てて乾かした。田植えが始まっているせいか温水池から水が落とされている。昨年は土筆の原だったが今年は西洋タンポポが満開だ。年々で春の進み方は違っている。

 今夜の宿の旅館やまべ(電話0167-42-2823)は食事なし素泊まりの宿なので、途中の山部ふれあいの家(電話0167-42-3445)で特製ジンギスカン夕食を予約して宿に向かった。TKさんからは「団体さんに先約されたため山部ふれあいの家に宿泊できなかった。残念」と聞いた

 05/18 旅館やまべを早朝に出発してまず富良野線越しに芦別岳を見上げた。撮影後、コンビニのイートインで朝食をとって芽室に向かう。狩勝峠を通って芽室町に入った。本日の宿の新嵐山荘の前を通り過ぎて上美生に入り西伏見橋に向かった。橋を渡って1Km進み右側の作業道に入った。すぐに作業道崩壊地点手前に着き畑脇に駐車できた。

 荒れた沢が合流して二岐になっている。その間に採土場への道路の痕跡があった。沢を渡って南に少し進むと広い砂利道が伸びているのが認められた。道の先には帯広岳らしい低山が見えるが定かではない。すでに薮になろうとしている砂利道を進む。登山口を探してハンノキが育つ採土場跡からその上の空地を右往左往した。ピンクテープを見つけたが登山路らしい窪みは千島笹の高薮で埋まっていた。笹薮を進み帯広岳登山口道標に会う。登山路の両側には針葉樹林がある。道端にはハンノキが並木に、平坦な道には背丈を超える千島笹が埋まっていた。標高380mのここから4kmも笹薮漕ぎと思っていたらTKさんから「撤退」との声がかかり喜んだ。笹薮を泳いで戻る。見れば熊の爪痕もハンノキに残っていた。登山口道標の向かいの木には林班標と赤フが付いている。本日には無用のシグナルであった。帯広岳は雪が薮を抑えてくれてないと登れない。この時期に、ついでに登る山ではないと分かった。

 砂利作業道に帰ってマダニがついていないか二人でお互いにチェックし、作業道崩壊地点を越して車に帰る。往路で見つけたオオバナエンレイソウの群落を探しながら新嵐山荘(0155-85-2121)に向かった。

 05/19 昨夜から小雨が続く。天気予報を見ると「寒波襲来、新得町はなんと雪. 日勝峠閉鎖、十勝岳温泉積雪、狩勝峠降・着雪」である。レンタカーの夏タイヤでは旭川空港に着くのがおぼつかないと、ついでの山として計画したトマム山登山をTKさんは中止した。雨は強弱を繰り返しながら止んでいった。宿のフロントで狩勝峠の現場カメラをチェックして貰う。地表温度6℃ということで現地の方は問題視もしていない。とはいえ我々(正確には運転するTKさん)は旭川空港に無事に到着しなければいけない。芽室町から狩勝峠に向かった。狩勝峠は7合目から霧、峠は半ば雪で白、道路は黒、標高560mに下って雪が消えた。胸を撫で下ろしたが北海道の春は雪対策が必要と思う。

 旅館やまべ前を通り、富良野プリンスホテルのパン工房で昼食をとった(TKさんのアイデア、毎冬利用と)。ホテルロビーの北海道新聞には「春なのに雪」と見出しが踊る。季節外れの寒波らしかった。
(記:TI)

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